前回の続きです。
前回までに、メンタル疾患において、「努力依存症」(勝手にこちらで定義)が治療や社会復帰の妨げになっている、という話をしてきました。
そして、健全な社会とのつながりを持ちながら、癒やしていくことについて話しました。
今回は、根本問題である「努力依存症」の対応策について、語っていきたいと思います。
無理せずにはいられないほど、自分を追い込んでしまう「努力依存症」。
これを治すには、「捉え方」と「環境」を変える事なのと思います。
捉え方を変える:リフレイミング
根本対策の一つ目はリフレイミングです。
これは、自分の認知(=捉え方)を変える心理手法。
リフレイミングによって、
自分を苦しめている思い込みを客観的に見つめて、別の考え方を取り入れることができるようになります。
詳細は別機会で取り上げたいと思いますが、ポイントはこんなところ。
- 今「囚われている思考」を明らかにする
- 思考で「事実」と「思い込み」を区別する
- 事実に基づいて可能性を探り、思い込みを排除して別の可能性を考える
以下で例を書きます。
修正前の認知(=捉え方)
- 「無理を続けないと認められない」
- 「認められない自分はどんな扱いを受けても仕方がない」
修正後の認知(=捉え方)
- 「無理をしなくても、認められることもある」
- 「無理をしないほうがパフォーマンスを発揮できる」
- 「仕事で必ずしも今すぐ、認められる必要はない」
- 「将来的に認められるように、今は積み重ねができている」
- 「今は認められるかどうかは、一旦保留にして、何か別の価値を身につけよう」
本当は、「自分を苦しめるほどの努力を続けなくては、生きていけない」という思い込みから、解放されたいはずです。
リフレイミングにより、自分を現状の苦しみから解放していくことができます。
そして、事実と妄想を区別し、自分の可能性に思いを馳せていくのです。
環境を変える。メリットの絶大さと、段階的環境変更
ただ今所属している「環境」が悪いと、リフレイミングは効果は発揮しにくいかもしれません。
今いる環境が不適切なら、「距離を置く」もしくは「離れる」こと。
環境を変える絶大な効果
ブラック企業やブラック職場で働いているのなら、配置転換や転職の検討が必要になります。
明らかに不当な扱いを受けて、改善の余地がないのならば、即時的に環境を変えても良いでしょう。
僕自身も、ブラック職場でパワハラを受け、仕事も人格も全否定されました。
職場では無能認定をされ、居場所がなくなり、転職を余儀なくされた経験があります。
しかし、転職しても無能扱いを受けることはありませんでした。
すぐに昇進し、仕事も認められたのです。
この時、環境を変えることの絶大な効果を実感しました。
環境を変えるメリットはたくさんあります。
- 悪質な人間関係を断ち切れる
- 健全な人間関係を構築できる
- 自分に対する見方が変わる
- チャレンジ精神が高まる
- 転職など環境を変えることそのものが、経験値になる
すぐにチャレンジするのが難しいのなら、段階的な変更を
もちろん、すぐに環境を変えるのも難しいと思います。
とてもエネルギーを使いますからね。
失敗する可能性もあるから、準備期間も必要でしょう。
そういう場合は、少しづつ「外の環境の空気を入れること」
具体的には、外部の勉強会に参加してみる。有意義そうなコミュニティーに入ってみる。
自分もそれをやって、少しづつ転職への機運が高まりました。
自分の中で、環境を変えることのデメリットよりメリットが上回れれば、動くことができます。
そういう、行動ができるボーダーラインを越えるまでは無理に動かず、模索する期間があっても良いでしょう。
そして、そういう模索時期は有意義です。
なぜなら、自分の関心は内ではなく外に向いています。
「自分はダメな人間だ」「どこに行っても通用しない」と自分を卑下しないようにするためには、外へ関心を向けることです。
こういう模索時期にリフレイミングを習慣的にやってみるのも良いでしょう。
新しい可能性に気づけるかもしれません。
もしかしたら、今いる環境で思わぬ成果につながるかもしれません。